なんのこと?

って思いますよね。

私ももう子育ては終わっている年だと思っていました。

息子は30歳を過ぎました。

子育てじゃあないでしょう。っていうご意見が飛んできそうです。

 

いくつになっても、子供の支えになるのは、「お母さんの関わり」で、「お母さんの言葉なんだ」というお話をします。

 

専門学校から、家を離れて暮らしていた息子が家に帰ってきて共同生活を始めて、5年になります。

 

もともと、社交的で友達づくりの得意な子でした。

特にルールも決めずに、共同生活が始まりましたが、日に日にイライラする様子が多くなり何かと突っかかってくるようになる息子。

 

家にいる間中ゲーム三昧で、夜中でもゲームにいら立ち大声で怒鳴る始末。

注意しても知らんぷり。

仕事で何か嫌な事でもあったのかと、思っていましたがあまりにも配慮に欠ける振る舞いを注意すると不機嫌に荒々しい口調で食って掛かってくる。

さすがに看過できず口論になる事もしばしば。

 

そんな時に、森田直樹先生の本に出合いました。

30年間小学校・中学校の教師を経て、スクールカウンセラー・少年院篤志面接委員・不登校の生徒を中心とした塾講師を務め、不登校支援を23年間実証研究を兼ねて実施しておられる方です。

先生の著書

「不登校は1日3分の働きかけで99%解決する。」

この本の内容は

子どもの心には、コップがあってそこには自信の水が溜る。

ストレスを乗り越える事の出来る心の強い子はこのコップが大きく、コップに水がたっぷり入っている。

辛い事を乗り越える事が出来るとコップが大きくなりより大きな困難を乗り越える力になる。

現代の子供は、(大人も)このコップが小さくて、コップに水をためる事が出来ず少し水が入っても、すぐに干からびてしまいストレスに耐えられなくなっている。

 

母親が水をためてあげるための働きかけをしてあげないと、身体症状となって子供の成長の妨げになる。

その身体症状の一つが不登校である。あるいは発達障害の類もこの身体症状かもしれないと…。 

 

母親がどうやって心のコップに自信の水をためるのか。

その方法をコンプリメントと称している。

※「心のコップに自信の水をためる」及び「コンプリメント」という言葉は森田直樹先生により登録商標されており事業内容として使用する事が出来ません。

あくまで著書の紹介として、使用することで先生の許可をいただいております。

 

コンプリメントとは

子どもの良さを見つけてシャワーのように褒める言葉を浴びせること。

 

ただ褒めるのではなく、子供が出来た事を「○○する力がある。」と事実を伝える。

子どもが出来たことを認めて、「あなたが○○が出来てお母さんうれしい」と愛情を伝える。

 

愛情と承認を伝えるんです。

そうすると自己肯定感も上がります。

母親は、毎日コンプリメントした言葉を書き留め、子供の反応の観察も書き残し変化や効果を観察しながら言葉の工夫をして子供に水を注ぎ続けます。

哀願愛護で。

 

1回のコンプリメントで1滴の水が入るイメージです。

 

そして自身の水が溜ると、子供は自ら動きだすんです。

 

これはたまにやったのでは効果が得られず毎日少なくても3つ以上。

 

2011年8月出版のこの本では1日3つのコンプリメントを続ければ、自信の水は満たされて必ず動き出すとしています。

けれど、現在は簡単ではないようです。

10年たって、環境などストレスの要因も複雑になり、貯める水より減る水が多くて満たされずに何年も費やしている例や、お母さんのコンプリメントの上達が難くなっている事例も有るようです。

母親だけでは貯めきれず、自分でためる方法も伝えています。

 

そして私はこの本を読み、

「子育て時期に出会って、ためせたらよかったのになあ。」

と思っていました。

 

いまさら、30の息子にこれは通用しないだろう。

せっかくのこの本との出会いを無駄にしていました。

 

子育て時期に共ばたらきで土日休日の少ない仕事をしていた私は、承認と愛情を注ぐことも意識せず

「子育てとはひたすら厳しくしつけるもの。」

と思い込んでいましたから、当然自身の水は足りていないはずです。

不登校にならなかったことを褒める事があっても、もう攻め立てる事は出来ません。

 

あからさまに褒めるのも気恥ずかしさが手伝って、なかなか息子の心に届くコンプリメントは出来ません。

 

せめて、笑顔で明るく嬉しそうに挨拶を心掛けました。

 

するとどうでしょう。

一言一言突っかかってきていた息子が話を聞くようになり、話しかけてくるようになり、自分の使った茶碗以外も洗ってくれるようになり。

言葉も優しくなり、職場の話もするようになり、本日は未来について前向きな話をしてくれました。

 

とてもうれしいですね。

 

お母さんうれしいを言いそびれたのは悔やまれますが。

 

タイミングをのがすと言えないです。

 

30歳になった息子にも効果がある事が実証された瞬間です。

この事からも、お子さんが小さいうちから、この様に愛情と承認を注ぐことを行なっていればコップに水の溜まった生き生きした子になると思います。

 

コンプリメントがうまくいくと不登校が治り、または予防でき、心のコップが大きい人に成長し、人の役に立つ未来を描けるようになるそうです。

 

宇都宮で暮らす家族がみんなでコンプリメントを学んだら、素晴らしい街になってくれそうな予感がします。

 

私は細々ながら、この試みを目指したいと思っています。

 

森田直樹先生は、コンプリメントトレーニングというコーチングプログラムを確立されていて日本一不登校のお子さんを救ってきたとの事です。

 

このトレーニングは、お母さんのトレーニングです。

 

子どもの心を動かすのって本当に難しい。

迷いもするし、心が折れそうになりますよ。

やはり、道しるべになってくださる方が必要であり、支えが必要です。

 

私も勉強中ですが、森田先生のトレーニングをご紹介する事は許可をいただいておりますので、トレーニングを受けてみようかなと思う方がいらっしゃたら、私の知っている事はお話しできます。

お気軽にご連絡ください。

 

宇都宮訪問カウンセリングルーム ははのて

小川ひろこ

 

森田直樹先生の著書 

・コンプリメントで不登校は治り子育ての悩みは解決  する

・発達凸凹を生きる力に変えるコンプリメント子育て

*現在新書編集中の事

Amazonで購入可能です。