「もう中学生なんだから、自分で考えさせた方がいいのかな」
「でも、何も言わなかったら、ますます勉強しなくなるのでは?」
思春期の子どもとの距離感に悩む親御さんは少なくありません。
口を出せば嫌がられる。黙っていれば心配になる。
そんなとき、よく耳にするのが「子どもを見守りましょう」という言葉です。
でも、見守るって、具体的にはどういうことでしょうか。
見守ることと、放っておくことは違います。
今回は、思春期の子どもの自立を支えながら、親子の安心関係を育てる関わり方についてお伝えします。
見守ることは、何もしないことではありません
思春期になると、子どもは親から少しずつ距離を取り、自分の考えや価値観を育てていきます。
それまで何でも話してくれていた子が、急に口数を減らすこともあります。
親としては寂しく感じるかもしれません。
けれど、それは必ずしも親子関係が悪くなったということではありません。
自分だけの世界を持ち始めた、成長の一つの姿かもしれないのです。
ここで大切なのは、子どもが話さなくなったからといって、親まで関心を失わないこと。
「何かあったら話してね」
「困ったときは一緒に考えるよ」
そんな言葉を伝えながら、普段どおりに接する。
見守るとは、子どもの行動を監視することではなく、必要なときに支えられる関係を保つことだと私は考えています。
親が口を出したくなるのは、心配だから
「宿題は終わったの?」
「明日の準備は?」
「いつまでスマホを見ているの?」
つい、こんな言葉が出てしまうことはありませんか。
親は子どもが困らないように、先回りして声をかけます。
失敗してほしくない。将来、苦労してほしくない。
その思いの根っこには、子どもを大切に思う気持ちがあります。
ただ、親が先回りすることが増えると、子ども自身が考えたり、失敗から学んだりする機会が少なくなる場合もあります。
また、子どもには「自分は信用されていない」と伝わってしまうこともあります。
だからこそ、声をかける前に、少しだけ考えてみてください。
「これは今、私が言わなければならないことかな?」
「本人に任せても大丈夫なことかな?」
この小さな問いかけが、親子の関わり方を変えるきっかけになります。
子どもが自分で考える余白を残しましょう
子どもが自立していくためには、自分で選び、行動し、その結果を経験することが必要です。
たとえば、勉強を始める時間。
親が毎日「早くやりなさい」と言う代わりに、
「今日はどんな予定?」
と聞いてみる。
子どもが「あとでやる」と答えたら、すぐに否定せず、まずはその言葉を受け止めます。
もちろん、約束を守れないこともあるでしょう。
そんなときも、責める前に、
「予定どおりにいかなかったね。どうしたらよさそう?」
と、一緒に考えることができます。
失敗を取り上げないことも大切です。
忘れ物をしたり、予定どおりに進まなかったり。
親から見れば、避けられたはずの失敗かもしれません。
でも、子どもにとっては、自分で気づき、工夫するきっかけになることもあります。
失敗したときに必要なのは、いつも正解を教えてくれる親ではなく、困った気持ちを受け止めてくれる存在なのかもしれません。
「どうしたかった?」
「次はどうしようか?」
そんな会話を重ねることで、子どもは自分で考える力を少しずつ育てていきます。
見守るだけではいけない場面もあります
ここは、とても大切なお話です。
子どもの自主性を尊重することと、助けを必要としているサインを見逃すことは違います。
たとえば、次のような変化が続いている場合です。
* 食欲や睡眠の状態が大きく変わった
* 表情が乏しくなり、元気がない状態が続く
* 学校に行くことを強くつらがっている
* いじめや人間関係の問題を抱えている様子がある
* 自分を傷つけるような言動が見られる
こうしたときは、「本人が話すまで待とう」とするだけではなく、子どもの安全や心身の状態を確かめることが必要です。
「最近、つらそうに見えるけど、どうかな」
「話したくなければ今は話さなくてもいいよ。でも心配しているよ」
無理に聞き出そうとせず、気にかけていることを伝えましょう。
必要に応じて、学校や医療機関、専門の相談窓口などと連携することも大切です。
特に、自分を傷つけるおそれがある場合は、一人で抱えず、速やかに専門家へ相談してください。
見守ることは、子どもを一人で頑張らせることではありません。
困ったときに相談できる親子関係を育てる
思春期の子どもが、いつも親に何でも話してくれるとは限りません。
親には言いにくいこともあるでしょう。
それでも、困ったときに、
「お母さんに話してみようかな」
と思える関係があったら、心強いですよね。
そのために大切なのは、問題が起きたときだけではなく、普段の何気ないやり取りです。
「おはよう」
「おかえり」
「ありがとう」
そして、子どもが話しかけてきたときには、できるだけ手を止めて耳を傾けること。
いつも完璧に対応できなくても大丈夫です。
聞きそびれたら、「さっきの話、聞かせてくれる?」と声をかけ直すこともできます。
小さなやり取りの積み重ねが、親子の安心関係を育てていくのだと思います。
まとめ|見守るとは、信じながら関心を持ち続けること
思春期の子どもとの距離感には、誰にでも当てはまる正解があるわけではありません。
近づいた方がいいときもあれば、少し距離を置いた方がいいときもあります。
大切なのは、子どもの様子を見ながら、その都度関わり方を考えることです。
「あなたを信じているよ。でも、困ったときは一緒に考えるよ」
そんな気持ちが伝わる関係を、日々の暮らしの中で育てていきたいですね。
親御さん自身も、一人で抱え込む必要はありません。
「見守っているつもりだけれど、これでいいのかな」
そんな迷いがあるときは、誰かに話すことで、子どもとの関わり方が見えてくることもあります。
宇都宮訪問心理カウンセリングルーム「ははのて」では、思春期の子どもとの関わり方や親子関係のお悩みをお聞きしています。
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