「もう放っといて!」

「うるさい!」

「別に。」

思春期になると、
あんなに何でも話してくれていた子どもが、急に親を遠ざけるようになることがあります。

話しかけても返事がない。

聞けば嫌そうな顔をする。

心配して声をかけたのに、

「だから、放っといてって言ってるじゃん!」

なんて言われる。

親としては、心配だから聞いているだけなのに。

何かあったのではないか。
学校で嫌なことがあったのではないか。
友達とうまくいっていないのではないか。

そう思えば思うほど、聞きたくなります。

でも、ここで少しだけ考えてみたいのです。

「放っといて」は、「嫌い」と同じではありません

思春期は、親から少しずつ離れて、
自分の世界を作っていく時期です。

自分で考えたい。

自分で決めたい。

でも、まだ全部を一人で抱えるほど強くもない。

そんな揺れ動く時期でもあります。

だから、

「今は入ってこないで」

という気持ちと、

「でも、ちゃんとそこにいて」

という気持ちが、同時に存在することがあります。

これ、大人だってありますよね。

一人になりたいとき。

今は話したくないとき。

でも、本当に誰からも気にかけてもらえなくなったら、それはそれで寂しい。

思春期の子どもにも、そんな複雑な気持ちがあります。

最近、性愛についての本を読んでいて、
思春期に親を遠ざけることも、成長の一つなのだと知りました。

私は、この説明にとても納得しました。

子どもはずっと親のそばにいるわけではありません。
思春期になると、親とは違う「自分」を作るために、心理的にも少しずつ距離を取っていきます。

「うるさい」
「放っといて」
「別に」

親には寂しく、時には腹立たしく聞こえる言葉も、
「自分で考えたい」「自分の領域を持ちたい」
という成長の表れなのかもしれません。

そう考えると、「放っといて」と言われたときに、
必死でこちらを向かせなくてもいいのだと思えるようになります。

追いかけない。でも、いなくならない。

「放っといて」と言われたら、

「わかった。」

それで一度、離れてみる。

ただし、関係まで閉じてしまう必要はありません。

「おはよう」

「おかえり」

「ご飯できてるよ」

そんな日常の言葉は、そのままでいい。

話したくなったときに話せる場所を、残しておく。

子どもが閉めたドアを無理やり開けるのではなく、

ドアの向こうに、いつもの親がいる。

それだけでも、子どもにとって大きな安心になることがあります。

親だって、不安になります

子どもに距離を取られると、

「育て方を間違えたのかな」

「もう私には何も話してくれないのかな」

と、不安になることがあります。

でも、子どもが親から離れようとすること自体は、成長の一つでもあります。

大切なのは、

離れていくことを止めることではなく、戻ってこられる関係を残しておくこと。

近づきすぎず、離れすぎず。

これが思春期の親子には、なかなか難しい。

だからこそ、完璧にできなくてもいいのだと思います。

「今日は聞きすぎちゃったな」

そう思ったら、次は少し待ってみる。

「昨日は言いすぎたな」

そう思ったら、

「昨日はごめんね」

と言えばいい。

親子関係は、一度の失敗で決まるものではありません。

信頼関係は、「戻れる場所」を作ります

子どもが小さい頃は、手をつないで守ることができます。

でも思春期になると、その手を振りほどくことがあります。

そんなとき、

無理につかみ直さなくてもいい。

少し離れたところから、

「必要になったら、ここにいるよ」

と伝え続ける。

それも、親子の安心関係の一つなのだと思います。

「放っといて。」

その言葉の奥には、

本当に一人にしてほしい気持ちもあるでしょう。

でも、ときには、

「今はこっちを向けないけど、見捨てないでね」

そんな気持ちが隠れているのかもしれません。

ははのてより

思春期の子どもとの距離に悩んでいませんか?

「何を言っても怒る」
「話してくれなくなった」
「どこまで放っておけばいいのかわからない」

そんなときは、一人で答えを出そうとしなくても大丈夫です。

親子それぞれの気持ちを整理しながら、
そのご家庭に合った距離の取り方を一緒に考えていきます。

訪問心理カウンセリングルーム ははのて
子育て・思春期・不登校など、親子の安心関係づくりをお手伝いしています。

『子育て相談について詳しくまとめたページです。
ご相談を迷われている方、よろしければ参考にご覧ください。』